一卵性の双子を妊娠した方なら一度は『双胎間輸血症候群』という病気の事を聞いたことがあるのではないでしょうか?
私も双子を妊娠してすぐに、一卵性の双子(一絨毛膜性双胎)の場合、気をつけなければならない病気の一つという説明を受けました。
実際に私は妊娠22weekの時に双胎間輸血症候群(TTTS)になり、手術も受けました。
血流のバランスが崩れて双胎間輸血症候群が起こる
胎盤にはたくさんの血管があり、へその緒が付いています。
へその緒の中の血管を通して、お母さんから赤ちゃんへ栄養や酸素を与えたり、逆に赤ちゃんから老廃物を受け取ったりしています。
そして実は2人の赤ちゃんも胎盤内の血管でつながっていて、赤ちゃん間でも血液が行ったり来たりしています。
(つながった血管の事を吻合血管(ふんごうけっかん)といいます。)
この赤ちゃん同士の血液の流れが偏った時、 双胎間輸血症候群を発症します。
一人の赤ちゃんは血液を異常に受けとり(受血児)、もう一人の赤ちゃんは血液を受け取れずに小さくなります(供血児)。
受血児は血液をたくさん受け取るので、心臓に負担がかかります。
逆に供血児は血液がいきわたらないので、栄養が取れず、尿も出にくくなります。
私の場合、供血児の赤ちゃんは尿が出ないので羊水が少なく、羊膜が体に張り付いた状態で動けなくなっていました。
サランラップが体に張り付いた様な感じです。
素人目でエコーをみても分かるくらい、ほとんど体を動かせない状態でした。
逆に受血児は羊水が増え、動き回っていました。
手術が出来る病院は?
もし双胎間輸血症候群になってしまった場合、2021年現在、全国で10ヶ所、手術ができる病院があります。
私は実家から通える『大阪母子医療センター』で手術を受けました。
しかし、通院には片道約2時間かかりました。
- 北海道大学附属病院
- 宮城県立こども病院
- 国立成育医療研究センター
- 東邦大学医療センター大森病院
- 聖隷浜松病院
- 岐阜県総合医療センター
- 大阪母子医療センター
- 山口大学医学部
- 福岡市立こども病院
- 鹿児島市立病院
どんな手術?診断~手術まで
診断基準は?
双胎間輸血症候群の疑いがあると、手術のできる病院へ即受診を勧められます。
そして受診先の病院で詳しくエコーをされます。
へその緒の中の血液の流れや胎児の大きさ、羊水の深さ等を詳しく調べます。
診断基準になるのは羊水の深さです。
診断基準は、供血児→2cm以内、受血児→8cm以上
両方を満たしていないと 双胎間輸血症候群という診断にはなりません。
なので1人の羊水が1cmでも、もう一人が7cmだと手術対象になりません。
胎児鏡下レーザー凝固術
双胎間輸血症候群の診断を受けると、 胎児鏡下レーザー凝固術という手術を受ける事になります。
妊娠27週未満、破水していない、合併症がない等の条件を満たす必要があります。
実際私も、TTTSの疑いがあるので明日、紹介する病院に行ってくださいと言われました。
しかし里帰りの予定だったので、東京→大阪の病院に紹介状を書いてもらいました。
2日後に受診、翌日入院、その2日後に手術となりました。
手術中、モニターでお腹の中にいる子供を見せてもらいました。
当然ですが真っ暗な中に、まだ半透明な足がみえた時は感動しました。
自覚症状
まとめ
妊娠は生涯に数回の事。個人差もあるし、感じ方も人それぞれです。
いつもと何か違う、違和感があって不安な時は、すぐに病院に相談して欲しいと思います。
インターネットで調べるとほとんどの事がわかる時代ですが、母の「違和感」は大切だと思います。
第六感?ではないですが、母は我が子の異変に気が付けるようになっている気がします。
こんな些細な事で相談するのは恥ずかしい。と思う気持ちはとても良くわかりますが、
私はもし定期検診があと1週間ずれていたら、、、と思うとぞっとします。
もしかすると手遅れになっていたかもしれません。
双子の妊娠。不安なことだらけですが、元気な赤ちゃんが生まれてきますように。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。